よもやま話


奏法についてのメモ その6  トトロでおっとっと!

オカリナ奏者のご先祖様のようなトトロ。(本当は木の上で吹いているあの笛の先が詰まっているともっとオカリナっぽいのですが、あれはあれで見た目よりも高めの明るい音が出そうです。不思議な力を持たない一般の方は、トトロよりはもう少し爪を切っておく方が良いでしょうね)。

画像はスタジオジブリ公式HP より「常識の範囲で自由にお使いください」とのものをお借りしました。

 

 主題歌はぜひオカリナで吹きたい曲だと思うのですが、多くの方が途中の「トットロ、トットーロ」(この部分は歌詞を引用させていただきました)のところでリズムが取れずに苦労されるようです。あの様に拍よりも少し前や後ろにずれた位置に音符が来る形を「シンコペーション」と言います。有名なところでは「シンコペーテッド・クロック」、「明日があるさ」「上を向いて歩こう」「君をのせて」「カントリーロード」(元歌)などと枚挙にいとまがありません。

 省略して「シンコペ」などということもあります。

 

 原因究明と解決法の探索をするとそれだけで疲れますので、ここは手っ取り早く対処法のレッスンをすることにしましょう。ポイントは「拍」を考えないでも意識できるようになることです。では早速始めましょう。愛用のメトロノームの用意をお願いします。

 

◯4拍子の曲では1小節の中に4つの拍があります。1、2、3、4という具合です。

 ではメトロノーム100 に合わせてイチ、ニー、サン、シーと口で言いながらそれと一緒に手を叩いてください。両手を合わす拍手よりも片手だけを上下に動かして、あまり大きく動かさずにでも動きは素早く、少し小さめの音が良いです。考えずにできるようになるまでしばらく続けてください。理想的には、手を叩いたあと両手はくっつかずにすぐ離れるのが良いです。

 

◯さっきは4拍全部で手を叩きましたが、ここからは一つだけ、二つだけ、三つだけと言う具合に虫食い状態で手を叩いていきます。まずは一つだけ。速さは100 ぐらいを目安に。

 できるようになったらちょっとスピードアップしたいですね。 

 

 一つだけのとき、選択肢は下の①~④の4種類ですね。

 

口マークはずっとメトロノームに合わせてイチ、ニー、サン、シーを繰り返します。

手マークのところだけ叩きます。作業内容をじっくりと把握してからとりかかってください。あとあと、そのことが大事になります。

パッと見は楽勝かな?と思いますが、案外③や④にはてこずるのではないでしょうか?

 

 

◯次は4拍のうち二つ叩きます。選択肢は⑤ 1,2 ⑥ 1,3 ⑦ 1,4 ⑧ 2,3 ⑨ 2,4 ⑩ 3,4 の合計6パターンですね。

◯次は4拍のうち三つを叩きます。選択肢は⑪ 1,2,3 ⑫ 1,2,4 ⑬ 1,3,4 ⑭ 2,3,4 の4 種類になりますね。

◯最後は4拍を全部叩きます。選択肢は⑮のみの1 種類になりますね。しかもこれは最初に済ませています。

えーっ!鯉がいっぱいになった? 池の近くではしないでくださいね。

力を入れすぎていると手が赤くなってしまいますので、慣れたら省エネで①から⑮まで通せるようにしてください。

 

ところで、トトロはいつやるんですか?   実はもう済んでいます。

 試しに⑮⑬⑨②をそれぞれ1小節づつ、続けてやってみてください。少しづつ速くするとあら不思議、となりの~~~~~~ になったでしょう?メトロノームで200 ぐらいにするとまだちょっと遅いんですが、雰囲気はわかりますね?

 

 この「虫食い手拍子」練習をいつもやっていると自然にシンコペーションがこなせるようになります。「シンコペーテッド・クロック」、「明日があるさ」「上を向いて歩こう」「君をのせて」「カントリーロード」(元歌)などリズムに手を焼いていた曲も怖いものなしになります。

 


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